学ばせる目的と目標によっても違う

習い事をいつから始めさせるべきかを考える上で欠かせないのが目的や目標を定めることです。その設定の仕方によっていつ始めるのがベストかが異なり、安易に早ければ良いわけではないのにも気づけるでしょう。例えば、将来的に人とのコミュニケーションを取る上で一芸くらいはできた方が良いからピアノを学ばせようというケースがあります。このようなケースでは音感はある程度優れていれば十分で、絶対音感などを習得する必要はあまりありません。三歳よりも前から学び始めることが大きな意味を持つわけではなく、小学校に入学してから始めても十分と考えられるでしょう。

英語を学ばせたいというときにも学校に通うようになってから他の人と自分の英語力を比較して劣等感を持たないで済むようにしてあげたいという気持ちのこともあります。この場合には英語耳を作り上げるため、あるいは発音をきれいにするために徹底した努力をさせる必要はありません。幼稚園に通っている間に始めれば大丈夫だと考えることもできますが、小学校に入ってからでも遅いわけではないでしょう。他の語学についても同様で、美しく流暢に話せるようにさせたいなら幼稚園入園前から始めるに越したことはありません。しかし、高望みはしないというのなら幼稚園や小学校で始めれば問題ないのです。

スポーツについてもプロを目指せるようにしたいなら可能な限り早く始めた方が良いのは確かです。ダンスやバレエなどやスポーツのどのような競技でも同じで、センスを磨く上では幼いうちの方が効果が高いでしょう。しかし、運動を好きにさせることや、基礎体力を付けさせることを目的として行うのであればそれほど早く始める必要はありません。無理に小さい頃から始めさせて運動嫌いになってしまったり、強い運動負荷をかけて成長を止めてしまったりするリスクも下げられるでしょう。ただ、幼稚園くらいから運動を始めておいた方が基礎体力は付きやすくなります。

絵画などの芸術に関わる習い事についても目標に応じていつから始めたら良いかが異なります。センスを磨かせるなら幼稚園の入園前後には始めた方が良いでしょう。しかし、絵画の描き方などの技術的なものを覚えさせたいと思っているなら、その理解力が付いてきた小学校の中学年くらいを基準にして始めても問題ありません。さらに、プログラミングのような技術的な習い事は、実務をこなせるようになってもらいたいと思うなら小学生以上になってからで十分でしょう。プログラミングを通して数学的な思考力や論理的な考え方を身につけさせたいという場合には幼稚園くらいから学ばせるのを検討した方が良いということになります。

このように習い事をさせる目的や目標に応じて適切なタイミングは違っています。基本的にはセンスに関わる部分を育てたい、プロのような能力を身につけさせたいというときには早めに始めるのが得策です。基礎体力などのように心身を成長させる上での基盤を作るのを目的とするなら幼稚園前後が適しています。そして、高度な技術を身に付けさせたいという場合には小学校に入学してからでも遅くはありません。このような大まかな考え方でタイミングを選ぶと、想定していたような形で技術や知識を手に入れてくれるでしょう。

迷ったときにはいつからにすべきか

いつから習い事を始めさせるかで悩んでしまったときには子供に習いたいと言わせるようにするのが大切です。どんな習い事でも大変だと感じたり、辛いと思ったりすることはあります。それを乗り越えて努力を続けていくことにより、技術や知識を自分のものにできるようになるのは確かです。そこで諦めて習い事をやめてしまうと、辛いことがあったときには逃げれば良いという考え方が付いてしまうかもしれません。そうならないためには、自分でやると決めて始めたのだから、しっかりとやり通そうと言えるようにしておくことです。このような状況を想定し、子供がやりたいと言うまでじっと我慢をして待つのも良い方法と言えます。

ただ、子供は自分から習い事を見つけてやりたいと言ってくれるとは限りません。友達がやっているから自分もやりたいと言うようになるケースは幼稚園や小学校に通うようになってからは時々あります。その機会が得られるかどうかもケースバイケースなので、習い事をさせたいと思っているときには親が動機付けをするのが肝心です。

例えば、ピアノを習わせたいと思っているならピアノの演奏会に連れていったり、自分や知人が演奏している姿を見せたりするのが効果的です。自分もできるようになりたいと思うように、ピアノに実際に触れる機会を作るのも良い方法でしょう。スポーツについても同様で、自分でプレーする機会を作ってあげるのが最も良い方法です。あるいは習い事をしている子供たちの姿を見に行って、自分がその中に入って一緒にスポーツに取り組んでいる姿をイメージさせるのも動機付けの仕方として優れています。絵画や書道なども作品を見て、自分もこんな作品を作れるようになりたいと思うように促すのが効果的でしょう。

あまり婉曲にやるのは得意ではないという人は、これをやってみないかと子供に提案してみても良いでしょう。頻繁に勧めていると反発されてしまうリスクがありますが、適度に間を開けて色々な習い事を勧めてみると興味を持つものが見つかるかもしれません。興味を持ったときが習い事を始めるには最適なタイミングなので、これをやってみたいと答えてくれたらすぐにどこで学べるかを調べて申し込むようにしましょう。